今日は、行政書士の業務を離れ、近時政治問題化している尖閣諸島と竹島の日本法における所有権につき、疑問に思い自分で調べたことを記載します。
これは、私的なまとめであって、本稿中には私見、個人の推測等が多く含まれており、記事の正確性についての検証をしていないことを先に記載しておきます。
また、これは行政書士が自己のホームページ内に記載しているブログであって、本稿の主題は登記であり、政治的主張とは無関係です。
尖閣諸島の所有権
まず、尖閣諸島につき、地権者と購入を希望する複数の相手方が売買交渉を行っているようですが、地権者であるからには、登記済権利証(今で言う登記識別情報通知)を持っているはずです。そこで、「尖閣諸島 所有権」で一番上に表示されたウィキペディアを見てみると、地番と平成20年頃の登記記録の概要までが掲載されていました。さすがはウィキペディアです。
ウィキペディアによると、尖閣諸島の所在は「沖縄県石垣市登野城」となっています。地番も付されています。現在、登記記録はオンライン化されており、北海道からでもアクセスすることが可能です。
竹島の所有権
では、竹島はどうでしょうか。これもウィキペディアによると、竹島は「行政区画では島根県隠岐郡隠岐の島町竹島官有無番地であり、正式に日本の領土となった。」と記載されています。
無番地ならば、登記記録はない、ということになります。地番が観念されていれば、登記記録がある可能性もあります。
そこで、軽く地番を検索して見ました。地番の検索は、オンラインで可能なので、京都からでも閲覧することができます。
しかし、地番検索は10個ずつしかできないため、「1~1000番までの地番を全部検索する」というようなやりかたはできません。ですので、「軽く」検索してみました。結果、私の検索した範囲では地番は該当がありませんでした。
官有無番地
もともと、登記記録のない官有地には地番は付されない(付す意味がない)ため、地番のない官有地はたくさんあります。たとえば、1番地の横にある官有地であれば「1番地先官有地」と言った具合に表記されます。興味がおありであれば、「先官有地」というワードで検索されるとよいでしょう。
行政区画上、「官有無番地」となっているわけですから、地番があるとは考えづらく、つまり、竹島は国有地である、と言うことになります。
なお、竹島の地番は、管轄法務局で調べることが可能です。また、地番が付された官有地もあります。
まとめ
尖閣諸島問題では、地権者からの買取がフォーカスされていますが、竹島問題では、単純に領有権のみが主張されています。ここから疑問に思った竹島の所有権について調べたのですが、私がたどり着いた答えは「官有地」です。無番地につき登記記録はないと推測されますが、日本の土地管理は、権利関係の観点から整備されてきた登記制度と、徴税の観点から整備されていた(旧)土地台帳の二つの制度が併存していた時期があると理解していますので、旧土地台帳を調べれば、もう少し詳しいことがわかるかも知れませんね。
最後にもう一度。これは私的な調べ事をまとめたものをブログ記事という形式で出稿するものであって、行政書士業や個人の政治的主張とは全く関係がないことを付言しておきます。