祇園で起こった交通事故から今日で2年、改めて交通事故の現況を概観し、安全運転の誓いを立てましょう。
平成25年の交通事故統計
平成25年の交通事故統計が警察庁より発表されています。そのデータによると、平成25年中に起きた交通事故は62万9,021件です。1分弱に1件の割合で起きていることになりますが、これは警察が把握しているデータに過ぎません。
多くの方々が、サイドミラーに腕をあてられて素通りされたり、自転車で衝突してそのまま警察に届けず済ませた経験をお持ちではないでしょうか。このような警察が把握していない接触事故等も含めると、件数は2倍程度に跳ね上がってもおかしくはないでしょう。
現に私も、去年自転車で青信号を進行中、同じ進行方向から右折してきた車に自転車の後輪をあてられ、フレームが曲がりました。しかし、その車は猛スピードで加速して去っていきました。こういった経験は多くの方がお持ちのことと思います。
交通事故の原因
警察庁のデータでは、交通事故の原因についても考察されています。分類は、法令に基づいているのですが、安全運転義務違反に該当するものが全体の76%を占めています。安全運転義務違反の細目については、以下の5点が挙げられています。
- 運転操作不適
- 漫然運転
- 脇見運転
- 動静不注視
- 安全不可確認
- 安全速度
このうち、安全速度とは、道路交通法自体には使われていない概念ですが、最高速度とは別に、状況に応じて危険を回避できるための速度という意味合いです。従って、同じ道でも昼と夜間では安全速度は自ずと変わってくるはずで、厳密に定義でき得るものではありません。
ちなみに、安全運転義務違反以外の分類項目としては、信号無視や徐行違反、酒酔い運転等があり、「どれも安全運転義務違反やん!」と突っ込みを入れられるようにも思いますが、安全運転義務は道路交通法で定められている(第70条)ことから、一つの項目として分類されています。信号に従うことも徐行しなければならないことも、別途個別に定められているわけですね。
安全運転を考える
当たり前のことですが、交通事故は心理的な影響が大きいと言えます。時間に焦って無理な右折をしたり、苛立って追い越しをかけたり。しかし、自分の場合に当てはめてみても、このような状態の時、自分の小さな心理的ストレスと、それに起因して引き起こされる最も悪い結果とを比べるようなことはしないでしょう。ここが、大切なポイントではないかと私は思います。焦ることもある、イライラすることもある。けれど、人の怪我や、ましてや命は、時間を巻き戻して元の状態に戻すことはできないのです。
遅れたら謝ればいい。苛立ったら深呼吸すればいい。ほんの少しの心がけで、交通事故はもっともっと減っていくはずだと、私は思います。
かく言う私も、常にそれが実践できているわけではありません。自動車は乗る人間の状態によっては凶器になってしまうことを深く心にとどめ、自分を戒めて安全運転を心がけなければなりません。