今日は、頸椎のMR画像を例に、MRIの水平断の左右について検討します。
- MR画像は、人が仰向けに横たわった状態で、足の裏側から体を見ているイメージを持てばよい。
- それを画面で見た場合、水平断では左右が反転する。
- つまり、画面上で右側に映るのが、体の左部分ということになる。
交通事故解決実務とMRI
交通事故でお怪我をなされ、後遺障害の等級認定申請を考える場合、MRIの読影は避けて通ることができません。
日本において「診断」が認められているのは医師のみであって、法律系の専門家はたとえ弁護士であってもその画像を診断することはできません。しかし、画像の理解は必須であると言えます。正常画像がどのようなものかを知り、その上で当該画像がいかようであって、それが相談者の主張する自覚症状と整合性があるかを確認することは、交通事故解決のための実務上最も重要とさえ言えるプロセスです。
頸椎MRI
交通事故のご相談で最も多いのがむち打ちに関するものですが、むち打ちに関するMR画像、すなわち頸椎のMRIのうち、水平断で左右を逆に考えられるケースが散見されます。
そこで、MRIの水平断画像を見る際の考え方について考えようというのが本稿の主題です。
上の画像は頸椎MRIの水平断です。
画像を見ると、端に「L」「R」という符号がついていますね。これが左右を表しているのですが、何故か右側が「L」になっており、左側が「R」となっています。
水平断の左右は何故逆なのか
何故、画面に映る画像は左右が逆になるのでしょうか。
仕組みは簡単で、水平断(身体を真横にスライスした)画像は、体を頭上から見るというイメージではなく、足下から見ることになるのです。
イメージなさってください。今、仰向けになった人を足の裏側から見ているとします。すると、右側に見えるのはその人の左足、左手ですよね。それだけの、実に単純なことなんです。
しかし、実際に説明を受ける際には「水平断は左右が逆になる」と説明を受けることがあります。確かに間違いではありませんが、イメージしにくいですよね
いかがでしょう。人が仰向けにねていて、足の裏側から頚部を見ているとイメージしてみると、頭のイメージと画像がシンクロして、分かりやすく見えるのではないでしょうか。
まとめ
MRIに、同じ画像は存在しません。当たり前のことですね。しかし、多くの画像を見ることによって、どの程度が正常と呼べる範囲なのか、おおよそのイメージが持てるようになって、それを個別に当てはめて検討(診断ではありませんので念のため)していくことができるようになります。
くれぐれも左右取り違えることのないよう、ご参考になさってください。