今日は、戸籍届書をどこに届けるか?についてのお話しです。
まず、結論から書きますと、戸籍の届出は、必要が生じた地点を管轄する市区町村の役所へ届け出れば、受理してもらうことができます。
これは、法律をかみ砕いて解釈し、分かりやすい言葉にした結論ですので、もう少し詳しくお話ししましょう。
戸籍の届出地については、一般原則が定められており、それに特例が設けられる形になっています。
1.戸籍届出地の一般原則:届出事件本人の本籍地又は届出人の所在地
まず、届出事件本人の本籍地についてです。出生したら入籍する戸籍の本籍地。死亡したら最後の本籍地。このあたりは常識の範囲とも言えます。では、婚姻届の場合、「届出事件本人の本籍地」とはどこを指すのでしょうか。戸籍関連の通達によれば、届けによって除籍される戸籍のある地(婚姻前の本籍地)であって、新本籍地(婚姻により新たに戸籍を作成しようとする地)ではない、とされています。
しかし、婚姻届の場合、除籍されるのは原則女性男性各1名の2名となります。しかし婚姻届は1通ですので、婚姻する男女の本籍地が異なる場合不都合が生じます。その場合、どちらかの「届出人の所在地」に提出すればよいことになります。今は様々な婚姻の形態がありますが、一般的には結婚と同時に同居して新婚生活を始めるのが一般的です。その場合は、新婚の住所地に提出すればよいことになります。
届出人の所在地、と言う定めでは「所在地」が何を意味するのかが問題となります。この点、戸籍届においては、「所在地」とは、「住所地」だけでなく「居所地」や「一時居住地」も含むとされています。従って、戸主が夫で、本籍地北海道、住所地沖縄県の妻が、京都に里帰りして出産した場合、その出生届は沖縄に在る夫が届ける場合、北海道か沖縄県に届け出ることができ、妻が届ける場合は北海道、沖縄県、京都のいずれでも届け出ることができます。
2.特例の届出地:出生地、死亡地、転籍地の市区町村の役所
以上の届出地をまとめますと、届出可能地が複数存在することになりますが、いずれに届け出てもよく、また、婚姻届のように一つの届出につき届出人が複数いる場合は、誰か一人の本籍地又は所在地で届出可能です。
ですので、結論としては、最初に書いたとおり、「必要が生じた地点を管轄する市区町村の役所へ届け出れば、受理してもらうことができる」ことになります。
なお、これは一般的な届出地を解説しているもので、胎児認知届、本籍分明届、就籍届など、特殊な届出については別途特例の定めがありますので留意願います。