今日は、交通事故で怪我にあった際、医学的にセカンドオピニオンを求めることの重要性について検討します。
- 交通事故において初期の診断はその後、非常に重要な意味を持つ。
- 医師は、優れた資格者であるが皆が万能ではない。
- 以上のことから、交通事故に遭えば専門家のアドバイスを受ける方が良い。
医師と医療現場
先日、放射線科医とお話しする機会があり、医療の現場についての一面を伺いました。放射線科医というのは、外科など、他の専門医から依頼をうけてCTやMRIなどの検査画像を読影するプロフェッショナルです。
その放射線科医のお話しによると、医師の中にはMRI画像の左右さえ見分けられない医師もいるそうです。もちろん、全ての医師がそうではないでしょう。しかし、その先生から聞かされる医療の現場・病院の現状というのは、ここに記載するのが憚られるほどに衝撃的なものでした。私も大きな病気にかかった時はよくよく調べて、最低でもセカンドオピニオンを取るくらいの気持ちでいなければと思うほどです。
交通事故と医師
さて、交通事故で怪我をした時、必ずしも最初の診断で専門医に担当してもらえるわけではありません。現に、私が自転車で事故し、時間外に病院で受診した際、対応したのは泌尿器科の先生でした。
もちろん、医師も研修医時代に全ての診療科で研鑽されていらっしゃることでしょうけれど、一般人の感覚から言って、頭部出血があり病院に駆け込んでいるのに、対応されるのが泌尿器科の医師であれば、いささか心許ないのが本音でしょう。
交通事故における初診の重要性
ところで、交通事故で怪我をした場合、それを解決するにはお金に換算する他ありません。時間を巻き戻せればそれが最善ですが、それができない以上、損害を金銭価値で積み上げ精算するしかないのです。
常識的に考えて、怪我がひどければ賠償額は上がるように思います。それは、後遺障害という難しい論点を含むのですが、今、ここで大切なことは、怪我がひどいかどうかを診断するのは、初診で対応した医師であるということです。この初診での診断は後々ついて回る非常に重要な医学的資料となります。
ですので、この時点で正確とは言えない診断がなされると、後で金銭価値に換算する際に、とても、非常に、苦労することになってしまうのです。
ケーススタディ
一例を挙げましょう。大きな怪我をして、意識不明になられた被害者がいらっしゃいました。片目を失明し、顔に傷跡が残りました。このような重傷事案の場合、そちらに注意が向けられ、小さな変化は見過ごされやすくなります。この事例では、結果として、脳機能の障害が見落とされていたのです。
脳機能障害の医学的立証は、労働力の喪失率に大きく影響し、結果として賠償金の額が大きく変わることになります。
このように、医師はもちろん医学系の最高資格者ではありますが、それでも常に万能でパーフェクトではない場合もありえる、ということを知っておかなければなりません。
実際、私は日常の通院でも不思議に思うことがあります。12月に目が赤くなって眼科に通院したら「お薬出しますね」と薬の説明はされるけれど、診断結果は言ってくださらない。ですので「花粉症ですか?」と聞くと「そうやと思うけどなぁ」と答えられる。これって診断になっているのでしょうか?
また、目元にプツプツと発疹ができ、皮膚科に行くと「ヘルペスですね、眼科にも通院してください」と言われ、目のヘルペスは怖いと思いその足で眼科にいくと「ヘルペスじゃないですね」と診断される。あげくには、皮膚科から処方された薬は塗らなくていいからとまで言われる。
このような医療に対する「?」というのは皆さんお持ちではないでしょうか。これが、花粉症ならとりあえず目薬を点して様子を見れば済むことですが、交通事故の場合「○○かなぁ」では済まされない。それは、後々の賠償に大きく関わってくるからに他なりません。
セカンドオピニオンを求めましょう
交通事故は人生の一大事。場合によっては、本当に人生に大きな影響を及ぼすトラブルです。遭わないにこしたことはないのですが、年間65万件起きている交通事故に遭ってお怪我をなされた方は、担当して下さった医師の献身に感謝しつつも、それを全て鵜呑みにするのではなく、画像や資料を持ってセカンドオピニオンを求める勇気が必要です。
もちろん、医師の判断が正しい事の方が多いでしょう。しかし、その場合であってもセカンドオピニオンを求める意義はあるのです。
そして、勇気をもってセカンドオピニオンを求めた人の中には、そのおかげで、賠償において何千万円という積み上げができた人もいらっしゃいます。
当職が代表理事を務めている一般社団法人では、弁護士や放射線科医の協力のもと、交通事故に関する無料相談会を開催しております。セカンドオピニオンが欲しいとお考えの皆様はお気軽にご相談ください。